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『シャイン・ア・ライト』

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吉祥寺バウスシアターにて。ストーンズの2006年のライブをスコセッシが撮影したライブ映画で、とにかく音がいいし、映像がいい!”Jumpin’ Jack Flash”で始まるライブのオープニングから、もうひたすらたのしすぎる!!ただ、こんなにつんのめるような腰にきまくるグルーヴなのに、席から一歩も動けないし声も出せないし、っていうのは正直ちょっと辛いよなーともおもった。

じっさいのライブそのものとは違う、映画ならではの仕掛けとしては、カメラが切り替わって特定の楽器やプレイヤーを映し出してアップにするのに連動してその楽器の音量もアップされる、っていうのがある。これがいい。臨場感、とは違うのかもしれないけど、ふしぎな迫力があっておもしろい。カメラは結構目まぐるしく回るのだけど、それは演奏中にストーンズの4人のあいだでどのようなコミュニケーションが行われているのか、その真実になんとか迫ろうとでもいうよう。キースとロンの2本のギターの絡みっぷりとか、よかったなー。

チャーリー・ワッツのドラムをもうちょっと映してくれてたら最高だったのに…とおもわないことはないけど、全体にめちゃめちゃテンションの高いライブ映像で、これこそまさに映画館で体験するべき映画、という感じ。ミックの動きのキレっぷりは本当にどうかしてるし(一瞬たりとも踊りをやめない)、キースはもう崩れまくったすごすぎるルックスだけど、よくわからない存在感があってやたらとかっこいい。なんつうか、ギター引いてる姿が美しく、神々しくすらおもえてくるくらい。とにかく、やっぱりストーンズってすげーかっこいいなー!!って、素直におもった。


豊田道倫@渋谷o-nest

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15日、豊田道倫の新作『POP LIFE』のレコ発。ゲストにあらかじめ決められた恋人たちへと七尾旅人を迎えてのライブだった。

どちらもはじめて見たのだけど、あらかじめ決められた恋人たちへの池永は格好からしてうさんくさい感じ。でも音には哀愁漂うやさしさがあって、妖しげなダブのなかですうっと響き渡るピアニカがじつにクール。今度アルバム聴いてみなきゃ、っておもった。

七尾旅人はなんだかやたらによく喋る人で、ものすごくわらえるとか含蓄があるとかって感じでもないのだけど、なんだかずうっと聞いていたくなるふしぎなおもしろさがあるのだった。存在感が強烈で、詩人っぽい。そしてやたらに声がいい。豊田道倫のカバーで”夢のはなし”をやったり、ルー・リードの”Walk on the Wild Side”を日本語カバーしたり。よかった。あと、彼も格好がへん。なんか、妙にキラキラしたTシャツかなんか着ていた気がする。

豊田道倫バンドはギターとドラムだけの3人編成。新作からの曲をいっぱい組み込んだセットリストで、初めて聴く”POP LIFE”や”五反田にて”にぐっときたり、”このみ先生”とか”カップルシート”はやっぱりたのしくていいよなー、なんてにやにやしたり。豊田道倫の歌はいつも詞が鋭くて、ぐさっとやられるような気分になったりしがちなのだけど、それがポップなメロディに乗ると本当に映えるな、っておもった。

あと、彼の雰囲気って、ちょっとかなり独特で、それが何度見てもおもしろい。ぜんぜん音楽とかやってなさそうなのに、でも絶対に自分のまんなかに音楽がある感じ。なんてことばにしてしまうと、もう違うな、っておもえてきてしまうのだけど、まあなんとなくそういう印象がずっとある。まずは生きること、生活があって、そしてそのなかで歌がつくられてる、みたいなイメージがあるから、そのために歌がふしぎなリアリティを持っているようにおもえるから、なのかな。よくわからない。とにかく、今年も年末に豊田道倫のライブを見れてよかった。


『ルー・リード/ベルリン』

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吉祥寺バウスシアターにて。『ベルリン』は、ルー・リードが1973年に発表し、しかし商業的な失敗のためかライブではずっと封印されていたアルバム。その『ベルリン』が、33年の時を経た2006年のニューヨークで完全再現されることになって、そのときのライブ・パフォーマンスを捉えたのがこの映画。もう、とにかく素晴らしかった!

『ベルリン』は、もともとコンセプチュアルな、ストーリー性をもったアルバムだけど、それを新たに映画的に解釈しなおす、っていうわけではないし、インタビューとかステージ裏の映像なんかも一切ない。85分間、ひたすらライブ映像が映し出されていくだけの作品になっている。

バンドもルー・リードもすごくたのしそうに演奏しているし、アルバムの暗さ、陰鬱さは薄まっているような印象がある。骨太なロックで、ほんといいライブ、って感じだった。やっぱり圧巻なのは”Oh Jim”から始まるアルバム後半の流れで、”The Bed”、”Sad Song”にはおもわず鳥肌が立つ。繊細で殺伐とした音楽に、へヴィでやさしい歌が乗っていく、その美しさよ。そしてアンコールで演奏された、”Candy Says”といったらもう!

あと、なぜか指揮者がいて、しかもほとんどドラムしか見ていないっぽいんだけど、見ているうちに彼のノリノリの振りっぷりがだんだんとダンサーみたいにおもえてくるのが素敵だった。正直、バンドに必要ないんじゃん?って感じだし、白い燕尾服(←なのか?)の背中にはでかでかと”BERLIN”って入ってるっぽかったし、意味がわからないんだけど、おもしろすぎだった。


『ペット・サウンズ』/ジム・フジーリ

ペット・サウンズ (新潮クレスト・ブックス)

ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』について、とにかく愛情たっぷりに語っている一冊。エッセイと評論の中間をいくような作風で、アルバムの魅力を、というか、アルバムに対する著者のおもい入れを存分に描き出している。

俺も『ペット・サウンズ』のCDは持っているし、”Wouldn’t It Be Nice”とか、”God Only Knows”なんかは相当すきな曲だけど、これが自分にとってすごく大切なアルバムか、って言われれば別にそんなでもなかった。この本にしたって、(きっと多くの人がそうであるように)村上春樹訳じゃなかったら手に取ることはなかったとおもう。でも、自分のすきなものをうれしそうに語っている人を見るのは、いつだってとてもたのしい。この本では、著者のジム・フジーリがおもい入れたっぷりに『ペット・サウンズ』を語ってくれていて、その叙情感過多な文章を読んでいるうちに(そして、読みつつ曲を聴き直していくうちに)、なんだかすっかりこのアルバムがすきになってしまった。

『ペット・サウンズ』は僕やあなたについての音楽である。子供や女性、あるいは男であっても、感受性や自己認識をいくらかでも持ち合わせ、そしてまた人生の避けがたい浮き沈みを既に経験したり、ゆくゆく経験することを前もって予期している人であれば、その作品の中に自らの姿を見いだすことができるはずだ。あるいはまた、そのような心を持つ人であれば必ず、その作品が顕示するものによって、変化を遂げたり、(そこまでいかずとも)大きく心を動かされたりするはずだ。(p.18)

感傷的な文章が多いのだけど、そこに込められた熱にはついついこころを掴まれてしまう。自分のすきなものについて語る方法の、ひとつのすばらしいありようだとおもった。

僕が言いたいのは、世の中の人々は「この世界の中で、自分がどれほど孤立していると感じているか」とか、「自分が感じている気持ちが、ほかのみんなが当たり前に馴染んでいるいくつかの感情と、どれほどかけ離れているか」とか、「愛することや受け入れられることを切実に求め、そんな人生に不可欠な要素を手に入れて、やっとそれに馴れたところで、ある日何もかもあっけなくどこかに消え去ってしまうのではないかと思うと、不安でたまらない」とか、そんなことを気楽に語り合ったりはしないということだ。もし誰かがその手の話題を持ち出すことがあったとしても、そのような発言が説得力を持っていたり、明瞭性を備えていたりすることは希である。(p.166,167)

そういう希な説得力、ちからを備えているのが、『ペット・サウンズ』だ、という主張だ。こんなこと言われたら、ちょっとちゃんと聴きなおしてみなきゃな、って気になっちゃうよなー。

人に何かを言おうとするとき、何かを伝えようとするときにだいじなのは、“何か”っていう結論めいたものそれ自体を熱心に解説することじゃなくって、それに至るまでのディテールとか、こころの動きみたいなものをリアルに相手に伝えようとする努力なんだろうなー、なんてことを改めてかんがえさせられた。むずかしいんだよねー、そういうのって。


豊田道倫 ニューアルバム『しあわせのイメージ』発売記念コンサート@Shibuya O-Nest

今年の締めはこれ。いいライブだったなー。かっこいいライブだった。しっかりと地に足がついていて、むきだしで、それでいて夢見がちな音楽だとおもった。

豊田道倫の歌っていうと、歌詞からしてとても私的なイメージがあるのだけど、このライブでは強靭なバンドサウンド(久下惠生、上田ケンジ、Dr.kyOn)がかなり印象的だった。とくに久下のドラムは半端ない。なんなんだあのキレっぷりは!びびった。あと、ライブ後半からは、ヤマジカズヒデがゲスト参加。さらにがっつりと音圧をかましたところに、PAのダブがびゅんびゅんと入っていくと、もう手のつけられない感じになってしまっていて、それがすっごいよかった。全体としても、そういう激しい部分と、静かな弾き語りのパートの緊張感とがうまいコントラストを生んでいて、だれることがない。HEADZの“Z”ってなんだよ、とか言い出しちゃうMCもたのしかったなー。

新作の曲では、やっぱり”このみ先生”がすきすぎる。もう名曲すぎてやばいとおもった。

“女教師もののAV見た後 ふっと思い出した 中学2年の副担任 国語の教師このみ先生”

“背が高くて めがねをかけて 疲れた感じがよかった”

こんな歌詞をリアリティをもって歌える人って、そうそういないとおもう。あと、”夢のはなし”、”カップルシート”もすばらしかった。


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