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『クリエイション・レコーズ物語』/パオロ・ヒューイット

クリエイション・レコーズ物語

2000年1月、プライマルスクリームの『エクスターミネーター』リリースをもってその歴史に終止符を打った、クリエイション・レコーズ。この本は、その直後に、レーベルの主催者であるアラン・マッギーをはじめとした関係者に取材をし、その結果をまとめたものだ。パンクの洗礼をもろに浴びた青年がレーベルを設立するきっかけから、オアシスの大ブレイクを経て、終焉に至るまでの模様が、さまざまな人の口から語られている。

まあ、要はインタビュー集なわけで、しかも相手はインディーレコード会社の人々なのであって(つまり、ステージに立つ側ではない)、読みものとしておもしろいかと言われれば、正直微妙なところではある。なにしろ、ドラッグの話ばっかりなのだ。ただ、俺はこのクリエイションってレーベルにわりとおもいいれがある(ほとんどリアルタイムでは知らなかったけど、そんなの別にいいよね!)ので、彼らの熱のこもったことばには、結構ぐっときたりすることもあった。

クリエイション創設当時の気分を表したことばを引用しておく。

ジェフ・バレット「彼(アラン・マッギー)はこれまで決して金儲けのためだけにやってきたことはない。それは改革とかなんとか、大げさなものではない。ただ単に「ブリティッシュ・レールで働いてきて、この街にも長く住みすぎた。ここで一発打ち上げて、ただやってやるだけ!」。そう言って、その少年は実現した。」(p.22)

アラン・マッギー「俺たちはモッズじゃない。いつだってパンク・ロッカーだ。」(p.31)

「トニー・フレッチャーが、ある記事の中でこんなことを書いてたんだ。/フレッチャーの最後の一行はこうだった。「座り込むな。パンク・ロッカーだったらクラブを作れ。バンドを組め。雑誌を作れ。映画を作れ。自分の人生でできることを、なんでもいいからやってみろ」。ぼくはこの言葉ですべてを確信した。」(p.37,38)

彼らのことばから見えてくるのは、ステージの上にいるやつらだけがパンクなのではない、という主張だ。それまで誰も気づくことのなかった新しい才能の芽を発掘し、送り出す、ということだって、まさにパンクであり、クリエイティブな行為なのだ、って自負がそこには感じられる。もちろん、パンクであるとかそうでないとかなんてことは、世の中の大半の人にとっては本当にどうでもいいことだ。でも、彼らはとにかくやってのけた。ジーザス&メアリーチェインやマイブラッディバレンタインを発掘し、プライマルズやオアシスをヒットさせた。たくさんの欠陥や曖昧さを抱えつつも、行動によって自分のあり方を示したのだ。そこが実にかっこいい。


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