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『ロスト・イン・ラ・マンチャ』

ロスト・イン・ラ・マンチャ [DVD]

早稲田松竹にて。テリー・ギリアムが10年かけて構想を練り、50億円をかけたという超大作、『ドン・キホーテを殺した男』製作の失敗を描いたドキュメンタリー。内容もなかなかよかったのだけど、まずはとにかく、失敗でも何でも映画にして費用をちょっとでも回収してやろう、って悪あがきする姿勢が最高だよね!と言いたい。作られなかった作品のドキュメンタリーなのにちょっと感動的、ってのはふしぎな感じもするけれど、最近ではマイケルの『This Is It』もあったことだし、未完であることの、志半ばの挫折の美しさというのはわかりやすい感動の一パターンとしてたしかにあるのだとおもう。

作品が完成できなかった、っていう結末をあらかじめわかった上で見ているからなのかもしれないけど、プロジェクト初動の段階からして”ダメそうな空気”が漂っていたのはすごく可笑しかったし、そこでどうにか状況を打開しようと奮闘する監督やスタッフの姿は切なくもあった。最終的には、ドン・キホーテの映画を作ろうと野心に燃える監督その人こそがドン・キホーテのような状況に陥っていってしまう…、っていうなんともよくできた物語にもなっていて、これは単純にドラマとして見ても結構おもしろい。まあ、これは他人事だとおもっているから言えることで、もし自分の携わっているプロジェクトがこんなだったらとおもうと、胃がきりきりと痛くなってきそうではあるけれど…。

それにしても、この映画でのテリー・ギリアムの情熱のほとばしりっぷりを見たら、『ドン・キホーテを殺した男』を見たくならない人はいないんじゃないかとおもってしまう。いろんなアイデアを試したくて、形にしたくてたまらない、って監督のようすは、はっきり言ってかなりキュートだ。テリー・ギリアムのドン・キホーテ映画、いつか完成しますように…!と俺も一ファンとして願わないではいられない。


『12モンキーズ』

12モンキーズ [DVD]

早稲田松竹にて。これはクリス・マルケル『ラ・ジュテ』のストーリーから着想を得たテリー・ギリアムが上映時間を4倍に発展させた物語だと言ってしまっても構わないとおもう。正直言ってちょっと退屈だった。テリー・ギリアムらしいアシッド感、バッドトリップ感に溢れた映画ではあるのだけど、

15年ほど前、って微妙な古さが災いしているせいか、ストーリー、ビジュアル、音楽、どれをとってももうあちこちで何度も見たことあるパターンだよなーっておもってしまうところばかりで。ただ、作品全体が志向している、狂気が現実を徐々に浸食していく、ってフィリップ・K・ディック的なテイストが俺は大好物なので、なんだか嫌いにはなれない感じではある。

『ラ・ジュテ』の後にこれを見たのだったけれど、そのおかげで、『ラ・ジュテ』の無駄のなさ、精密さが一層際立つようで、そういう意味ではおもしろい映画体験だったなーとおもう。あと、この作品におけるブラッド・ピットのキレっぷりは素晴らしく、まさに怪演!って言いたくなる感じだった。気持ち悪いというか、イラっとくるというか、怖いというか…。そんなブラピのテンションだけでも見てみる価値はあるかも。


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