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『アリーテ姫の冒険』/ダイアナ・コールス

『アリーテ姫の冒険』/ダイアナ・コールス

「かしこい」お姫様、アリーテ姫が、男たちの悪巧みをひらりひらりとくぐり抜け、強く、どこまでも自然体のままで生きていく…という童話。古色蒼然とした「お姫様」像を塗り替える、頭脳派で行動派、プラス思考なヒロインが魅力的な物語だ。

「姫、おまえがかしこいというのはほんとうか。ずっとまえから本を読んでいたっていうのは、ほんとうか」
「はい、おとうさま」
「もし、かしこいなんていうことが世間に知れたら、おまえは一生、結婚できないことぐらいわかっていような」
王さまは、頭をかかえてしまいました。(p.10)

アリーテ姫には、3つの試練と、3つの願いを叶える魔法の力が与えられる。だが、彼女は試練をクリアするためにその力を用いることはない。自分のたのしみや喜びのために、ちょろっと使ってみるだけなのだ。そして、厳しく困難であるはずの試練も、身近な人の協力とちょっとした知恵を用いることで、難なく切り抜けていってしまう。まあ何というか、全体にユーモラスでひょうひょうとした雰囲気の、ポップな物語になっているのだ。

訳者による「あとがき」では、本書を「自分の力で問題を解決していける女の子が主人公の物語」、「子供が理解しやすいフェミニズムの本」と位置づけている。たしかに、作中の男たちはことごとく身勝手で融通が利かず、女を支配しようとしては失敗してばかりいる、どうにも情けない存在である。そういった部分にフェミニズム的な偏りが感じられはするけれど、この物語全体の前向きさや軽やかさ、明るさ、ポップさというのにはそれ以上に素敵なものがあるんじゃないかなーとおもった。


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