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『たったひとつの冴えたやりかた』/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

たったひとつの冴えたやりかた 改訳版

最近出た改訳版。ハヤカワ文庫では中篇が3作収録されていたけど、この本にはいちばん有名なひとつ目の作品だけが収められている。いま改めて読んでみても、素直にいい小説じゃんっておもえた。人間の少女とエイリアンとの友情、そしてその先に待ち受ける切ない結末を描いた物語。

わかりやすくセンチメンタルな話なんだけど、そこがいいんだよねー。主人公のコーティーはすごくさわやかでいい子すぎて、結末を知っていてもついつい感情移入して読んでしまう。物語終盤の2人の会話なんかも、やっぱりぐっときた。もう覚えてないから旧訳との比較はできないけど、ひさびさに読み返してみるきっかけになったのはよかったなー。あと、いまさら言うようなことじゃないだろうけど、つくづくほんといいタイトル!

もう一度コーティーは優しく笑いだす。もしかしたら、あたしたちは星野へ冒険をさがしにでかけたふたりの子供――もしかしたら、ふたりの女の子?こんな思いがけない旅の仲間ができるなんて、すてきじゃない。いくら本を読んだり星をながめたりするのが好きでも、宇宙の旅の大半は、冷凍睡眠にはいってるときをべつにすると、じっとすわって待つだけの孤独な時間だってことが、ようやくわかりはじめてきたところだから。(p.82)


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