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Marlena Shaw@ビルボードライブ東京

Who Is This Bitch Anyway

6月25日、ビルボードライブ東京にて。こいつはほんとに最高だったー!1975年の超名盤、『Who Is This Bitch, Anyway?』の録音メンバーが集っての、まさにドリームバンドによるライブ。ボーカルのマリーナ・ショウをはじめ、ギターのデヴィッド・T・ウォーカーにベースのチャック・レイニー、ドラムのハーヴィー・メイソンにピアノのラリー・ナッシュ、みんな60台後半から70オーバーって歳なのだけど、とにかくみんなチャーミングで、そして文句なしにかっこよかった!アルバムの1曲目である”Street Walking Woman”なんかはイントロの男女のやりとり(語り)まできっちり再現してくれちゃうし、名曲”Fell Like Makin’ Love”は当然とろけるように甘いしで、俺のテンションは終始上がりまくりだった。

基本的に、『Who Is This Bitch, Anyway?』を全曲演っていく、ってライブだったのだけど、合間には”Mercy, Mercy, Mercy”を入れてきたり、いきなりハッピーバースデーのコーナーがあったりで、なかなかサービス精神も旺盛な感じ。気のいいおばちゃん、って佇まいのマリーナは、あのアルバムの神秘的なジャケット写真とは似ても似つかない雰囲気になっていたのだけど、なんとも余裕を感じさせる歌声であって、これはこれでクール。そして、抑制されたグルーヴを生み出す熟練のメンバーたちは、ボーカルにそっと寄り添う、最高に素敵な歌伴を聴かせてくれていた。バンドのなかでとくに目立っていたのは、デイヴィッド・T・ウォーカー。半分以上の曲で長いソロを取ったり、調子に乗ってくると立ち上がって――そうそう、マリーナ以外のメンバーは、基本的にみんな座っての演奏だった。ま、みんな、おじいちゃんだしね――ひょこひょこ歩き回っちゃったりして。あと、チャック・レイニーはプレべじゃなくって、白いジャズベを使っていたのが印象的だった。

夢のような本編が終わって、アンコールではやっぱり”Loving You Was Like A Party”!まわりの観客のテンションももはや最高潮に達していて、イントロの一音目から歓声が響き渡っていたけど、これまた最っ高にかっこよかった!まあそういう訳で、もうもう、ひたすらにたのしい時間を過ごさせてもらったのだった。席も音響もすごく心地よくて、これはひさしぶりに大満足なライブだった。


湯川潮音@SHIBUYA-AX

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2/13、渋谷AXにて。いやー、今回もすごくよかった。この後しばらくライブをお休みする、ってことで気合いが入っていたのか、曲数も多かったし、なんていうかいままでの集大成的な内容になっていたとおもう。ライブは2部構成になっていて、前半は湯川ひとりでの弾き語り、後半は曲ごとにメンバーをひとりずつ増やしていく、バンドスタイルでの演奏になっていた。一応、今回は昨年出た『クレッシェンド』のレコ発、ってことだったので、新譜からの曲でスタートかなーなんておもっていたのだけど、しょっぱなから弾き語りで”緑のアーチ”がきたわけで、むっ、きょうは何やらすごいことになりそうだぞ…って予感にじんじんしたのだった。

そんな予感に違わず、前半の弾き語りは名曲を連発。「いままでの自分の転機になったような曲を演っていく」という趣向だそうで、”緑のアーチ”に”Turn! Turn! Turn!”、”深夜高速”に”ルビー”、ってもうもうやばいくらいに染み入る曲ばかり。とくにライブではじめて聴いた、”深夜高速”はすごくぐっときた。フラカンのオリジナルはもちろん大好きなのだけど、湯川のソプラノとギター一本で歌われるこの歌も、どこか天上的というか、繊細で神聖な雰囲気があって素晴らしくって。

で、中盤以降は『クレッシェンド』の曲を中心にした、バンドでの演奏。こっちもとてもよかった。超プロフェッショナルなメンバーばかりのバンドなだけに、アレンジなんかもう最高で。とくにギターとキーボの音がよかったな。ベースとドラムスががっつり入ると、ときどき歌声が負けてしまうような感じもあるのだけど、”Lover’s Dart”とか、”ここから見る丘”なんてすごく素敵だった。

ラストはまた弾き語りに戻って、”愛に帰ろう”で締め。バンドの後に弾き語りを聴くと、バンドもいいけど、このソプラノがいちばん映えるのはやっぱりこういうスタイルだよなーっておもわされてしまうのだった。やっぱり湯川の歌声は素晴らしい。

緑のアーチ

Turn! Turn! Turn!

風よ吹かないで

深夜高速

ルビー

When She Loved Me

—–

ヒーロー

ロンリー

Lover’s Dart

電話のむこう

どうかあしたは

五線紙ソング

No Surprises

ここから見る丘

終わりのない物語

ダイス

—–

愛に帰ろう

—–

(アンコール)

レクイエム

逆上がりの国

The Water Is Wide


Passion Pit@Duo Music Exchange

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2月5日、渋谷にて。Passion Pitのエレクトロサウンドから俺がまずおもい浮かべるのは、真空の宇宙でひとり膝を抱えているような、なんとも弱々しいイメージ、もの寂しげな感覚だ。そして、それに付随するようにして、闇のなかで不意に小さな星がちらっと瞬いて消えるような、一瞬だけ身体の芯の部分に何か熱いものが触れ、でもそれはすぐに去ってしまいやはりそのまま真空のなかに取り残される、っていうような、一連のイメージも浮かんでくる。フロアを簡単に揺らすことのできるアッパーでポップな曲でも、どこかはっきりと断絶している感じ、ひとりであることを強く感じさせるような雰囲気がある気がする、とでも言ったらいいのかな。そんなイメージは、YouTubeではじめて”Sleepyhead”を聴いたときからもうはっきりと自分のなかに染みついていたし、今回大勢のオーディエンスと一緒に彼らの音楽を聴いていてもそれが変わることはなかった。

ライブは”I’ve Got Your Number”でゆるやかにスタートし、後半に向けて徐々にバキバキの音が増していく、って構成になっていて、満員の会場が少しグルーヴしていくのが心地よかった。高音ボーカルの再現性はかなり高く、演奏も全体にとても安定していたのだけど、ギター、ベース、ドラムのいる編成のわりに出音はエレクトロサウンドが中心なので、ライブならではの、って要素があまり見られなかったのは少し残念な気もした。全体で1時間ちょっと、って短さは、まあ新人だから仕方ないけれど、もっと疲れるくらいまで踊らせてほしいかなーとはおもった。

個人的なハイライトは本編ラストの”Little Secrets”と、アンコールの”Sleepyhead”。この2曲は本当に素晴らしいとおもう。どうしようもなくセンチメンタルでキラキラとしていて、がんがん盛り上がるくせにどこか情けない感じのする音楽で、ポップの魔法を感じる。

以下、セットリスト。

I’ve Got Your Number

Make Light

Better Things

The Reeling

Moth’s Wings

Swimming In The Flood

To Kingdom Come

Let Your Love Grow Tall

Folds In Your Hands

Smile Upon Me

Little Secrets

———-

Eyes As Candles

Dreams

Sleepyhead

そうそう、カバーでクランベリーズの”Dreams”をやってくれたのだけど、イントロが流れ出した瞬間、俺のちょうど目の前にいた女の子が、うきゃーーーーー!!!ドリームズっ!!だよっ!!まじかっ!!超うれしいいいーー!!!とかなんとか叫んでそれまでの3倍いくらいの勢いでジャンプし始めたものだから、なんだかつられてとってもハッピーな気分になってしまったことも、忘れないようにつけ加えておこうとおもう。

Manners


”Put The Lights On The Tree”/Sufjan Stevens

そんな5枚組ボックスのなかの2枚目のCD『Hark!』より、ビデオがキュートな”Put The Lights On The Tree”を貼っておく。


D

ツリーにライトをまきつけて

リースにリボンをくっつけて

もしおばあちゃんがたったひとりで暮らしているのなら

電話してあげるんだよ

神さまはここにいるんだって伝えてあげて

なにもこわいことなんてないんだって教えてあげるんだよ

もし彼女が電話越しに泣いていたら

もう家に向かってるところだよ、って教えてあげるんだよ


『Songs For Christmas』/Sufjan Stevens

Songs for Christmas

気がついてみれば、そろそろクリスマス。白や黄色や青の光に彩られた夜の街で、恋人たちは寄り添って歩き、子供たちはサンタクロースの来訪を心待ちにしながら眠りにつく…いつの間にか、もうすっかりそんな時期になっていたなんてね!いまの俺の仕事はシステム保守なので、今年のクリスマスが何曜日だろうが何だろうがあまり変わり映えのしない日々――トラブルの電話に戦々恐々とする――を過ごしているわけだけれど、でもちょっとくらいこの季節のうきうき気分を味わったっていいじゃない!ということで、今週くらいは、この日記でもクリスマスっぽい作品を取り上げていってみようかなとおもう。

 *

この季節に毎年よく聴いているのがこれ、スフィアン・スティーブンスの『Songs For Christmas』。クリスマス曲ばかりが入った5枚組ボックスだけど、内容的には1枚ずつで完結しているので気軽に聴ける作品だ。バンジョー、マリンバ、アコギにホーンのシンプルな演奏にスフィアンのあのかすれた歌声が乗る、ってもうそれだけで素晴らしいに決まっているのだけど、トラディショナル・ソングやキャロルがいっぱい取り上げられていたり、宅録のルーズな味わいもあったりで、かっちり構築されて緊張感のあるスフィアンの最近のアルバムと比べるとずっとくつろいだ雰囲気になっているのがまたいい。

ちなみに、俺は夜ベッドに潜り込んで、ふうーきょうも疲れたな…なんておもいながら眠りにつく、ってときにこのアルバムを小さな音でかけることが多いのだけど、そういう疲労感とか眠気とかにもじつにぴったりくる音楽だ。優しく、穏やかで、でもちょっと暗くて。


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