『テラビシアにかける橋』

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吉祥寺バウスシアターにて。もう、これ、すっごくいい映画だった!こういう子供系の話って、ついつい涙腺がゆるゆるになってしまう。泣いてしまうこと自体は作品のクオリティとはたぶんあまり関係ないのかもしれなくて、でもとにかくこの映画の喚起するノスタルジアの感覚はすばらしくて、俺はすっかりやられてしまった。

物語は、クラスでも家でもいまいち自分の居場所を見つけられずにいる男の子ジェスが、ちょっと変わった転校生の女の子、レスリーと出会うことで動き出す。クラスのはみ出し者同士の連帯感から、いつしか2人は仲良くなり、近所の森のなかに空想の国「テラビシア」を創りあげるように。小学生の日常生活は問題だらけでなかなかハードだけど、放課後のテラビシアでなら、何もかもがおもいのままだ。彼らはテラビシアでの遊びを通じて、徐々に現実世界でもうまくやっていけそうになっていくのだけれど、ある日予想もしなかった悲劇が訪れる…!

って感じのストーリーはきわめてありきたりで、新鮮味のかけらもない。予想もしなかった悲劇、なんていうのも、きっと誰の予想範囲内からも外れないものだし、CMや予告編でも流れているレスリーの台詞、“Just close your eyes, and keep your mind wide open!”なんか、いくらなんでもベタ過ぎる。まあ、要は、定番、ということなのだろうけど、いくら定番の物語だからって、どこか一箇所はいいフックがなければ、ただの退屈な作品にしかなり得ない。でも、この映画においては、この素朴さや新鮮味のなさ、「こういう話なら、よく知ってる」感こそが、じつはもっとも重要なファクターになっているのでは、と俺はおもった。

というのも、これは、“大人が自分の子供の頃を振り返って見たときに生ずるノスタルジア”に強烈に訴えかけるような作品だからだ。プロットやキャラクターの造形、音楽の使い方の陳腐な感じが、それをうまく引き立てている。早口で言ってしまうと、それらの陳腐さは子供のイノセンスのようなものを表しているのだけど、それは子供にはそんなイノセンスがある、って話ではなくて、あくまでも、大人は、子供にそんなイノセンスを見ている、ということなのだ。そして、そこにこそ、この映画のノスタルジアの強さがある。

たぶん、たぶんだけど、俺が小学生のときにこの作品を見ても、今みたいに感情を激しく揺さぶられることはなかっただろうとおもう。むしろ、レスリーの、“Just close your eyes,~”なんて台詞や、想像/創造力の大切さ、みたいなモチーフの紋切り型に冷めちゃったんじゃないかなー、って気がする。

あ、そうそう、子役の2人はどっちもすごくよかった!女の子(アナソフィア・ロブ)はめちゃくちゃかわいいし、男の子(ジョシュ・ハッチャーソン)の演技は地に足が着いてる、っていうのかな、とてもリアリティがあって。

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