『ナチュン』/都留泰作

ナチュン(1) (アフタヌーンKC) ナチュン(2) (アフタヌーンKC)

都留泰作のマンガ、『ナチュン』の1,2巻を読んだ。おもしろいなーこれ!沖縄を舞台に、ファンタジー系のモチーフ、とくに、SF的なガジェットがいろいろと出てくる。でも、それらは物語世界のなかにさりげなく溶け込んでいて、じっさい主に描かれているのは、漁とか、島の人びとの日常の生活。そこでの人間のあり方の感じなんかに、ふしぎなリアリティがあって、おもしろい。ただ、これって何の話なの?って聞かれても、SF×沖縄とか、たしかにその程度のことしか説明できなさそうだ。ほんと、何の話なんだろうー。

世界征服を(いちおう)企む青年の視点を中心に描かれているんだけど、彼以外の人々のかんがえていることが、なにしろ全然わからない。たとえば、マンガだから登場人物の顔はだいたいいつも見えているわけなんだけど、なんというか、その顔だけを見ていても、ちょっとそれだけでは「読めない」ような、絶妙な表情をしている。この、まったく他人同士のやりとりって感じがおもしろい、っておもった。彼らのきもちは通っているんだかいないんだか、いまいちわからないし、SF的設定や、南国ならではの土着の風習だとかもあいまって、自分のいるこの世界なんて何ともわからないことだらけだ、っていう感覚がいい。全体像なんてまったく見えてこない(いまのところは)し、何より他人が他人として生きている感じがあり、そこに妙にリアルさを感じてしまう瞬間があって、なんか、あんまり味わったことのないおもしろさがあるような気がした。

全体像がなかなか見えてこない、ということはつまり、どういう作品なのかまだよくわからないので、先の展開はほんとに予想がつかない。2巻からは物語が動き出した感があって、この辺からどんどんハードSFみたいな展開になっていっても、それはそれでおもしろそう。

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