『ドラゴン・タトゥーの女』

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DVDで。原作はミステリ小説だけど、映画版においてはミステリ的な要素はぐっと薄められている。推理パートの進行スピードがやたらと早いので、観客の側でいろいろ推理したりかんがえたりするような余裕がほとんど与えられないのだ。結果として本作は、150分間ひたすらスタイリッシュな映像が繰り出され続けるだけの映画、みたいな感じの作品に仕上がっている。でもとにかくかっこいいんだこれが。見終わった後は、なんか自分まできびきびスタイリッシュに動きたくなっちゃうみたいな、そういうかっこよさ。

だから、ストーリーうんぬんっていうよりは、パンク×ゴスファッションに身を包んだエキセントリックでクールなヒロイン、ルーニー・マーラと、すごく格好いいオトナの男なんだけどどこか微妙にもっさり感のあるダニエル・クレイグが、白、黒、グレーを貴重にした冬のスウェーデンを舞台に、冷たく刺々しいトレント・レズナーの音楽をBGMとして、かっこよく活躍する様こそが本作の美点というか売りというか、もうほぼ全てだと言っていいだろう。ルーニー演じるリスベットは悲しい過去を背負っていたり、それでいてじつはかわいらしいところもあったりするキャラクターになっているので、作品の序盤/終盤ではその辺りがフィーチャーされてはいるのだけど、それはあくまでちら見せ程度。全体的には、とにかくクールでかっこいい、っていう一方向におもいっきり突き抜けた映画だとおもった。

作品のテーマ性ということでは、”社会的弱者としての女性が、薄汚い男性性に立ち向かう”みたいなところが挙げられるだろうけれど、本作においてはそこはあまり重要なポイントにはなっていないように感じられた。そういったテーマの重さ、あるいは叙情性といったものを演出するには、映画全体のムードがクールとかスタイリッシュとかに寄り過ぎているのだ。もちろん、これはエンタテインメント映画であるので、それはぜんぜん悪いことではない。

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