『モデル・ビヘイヴィア』/ジェイ・マキナニー

モデル・ビヘイヴィア

ジェイ・マキナニーの98年作。登場人物たちの会話やら品評やらのシニカルさと、その裏に潜んだナイーブさとが売りのマキナニーだけど、本作でもそれは変わらない。プロット自体は単調で、どちらかと言えば退屈なくらいなのに、なんとなくずんずん読めていってしまうのは、断章形式の構成と、あとはやっぱりこの軽妙な語り口によるところが大きいのだろうとおもう。

読んでいて、おもわずあうってなってしまったのは、以下のところ。

かつてきみは自分を不死身のように感じ、未来には無限の可能性があると感じていた。自分を信じ、時間はたっぷりあると信じていた。そういう感覚を失ってしまったのは、いったいいつだった?失ったときにはそれと気づかなかったけれど、今夜は確信を持っていえる。あの感覚は消えてしまったと。(p.260)

ああまったくその通りだよ、まさしくそういう感じなんだよねー、困ったことに。こんな風におもいっきり本当のことを書かれてしまったら、唸らざるを得ない。時間はそうたっぷりはないし、未来の不確かさに危惧を抱くことはあっても、希望を感じることなんて、もう滅多なことではないのだ。まったく、やれやれって言う他ない。

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