『マリー・アントワネット』

マリー・アントワネット (通常版) [DVD]

DVDで。いやー、この雰囲気はソフィア・コッポラならではだろう。透明で涼しげで軽やかでおしゃれで、でもその底のところにはどうにもできない程のけだるさ、倦怠感がある、っていうこの感覚が味わいたくて俺はソフィア・コッポラの映画を見ている気がする。自分がひどく疲れていたりするときでも、すっと作品世界に入って行けたりするところが特にいい。

物語的には、マリー・アントワネットがフランスに嫁いでから処刑されるまで、っていう定番のストーリーをなぞっているだけなのだけど、作中で延々と描かれているのは彼女の感じるえも言われぬさびしさや倦怠感ばかり。えっと、そういやこれってフランスの話なんだよね?とかおもっちゃうくらい、いわゆる歴史もの、大河ドラマ的なな匂いがしない。ここまで派手な舞台を使ってここまで地味な内面を描こうって大胆さは、さすがソフィア!って感じだ。

80年代UKロックがめいっぱい使われたサウンドトラックはわくわくするし(The Cure”Plainsong”→New Order”Ceremony”って流れは熱かった!)、きらびやかなのだけど過剰にゴージャスにはならない、パステルカラーの画面も見ているだけでたのしい。マリー・アントワネットを演じるキルスティン・ダンストは、他のソフィア映画の主人公たち同様、キュートで儚げで素直でちょい天然で退屈していて素晴らしい。しっかりと狙いと方向性を持った、とてもいい映画だった。

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