『イントゥ・ザ・ワイルド』

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川崎109シネマズにて。そして新宿テアトルタイムズスクエアにて。2回見た。原作のノンフィクション、『荒野へ』を読んだときから期待していたけれど、真摯な問いかけと包み込むようなやさしさ、恥ずかしくなるようなまっすぐさとを併せ持った完成度の高い作品に仕上がっていて、まじで素晴らしいとおもった。裕福な家庭に育ったクリス・マッカンドレスは、大学を卒業するなり家族との連絡をいっさい断ち切り、ひとり放浪の旅に出た。アメリカ各地を旅して回った彼は、最終的にアラスカの荒野で腐乱死体となって発見されることに。いったい彼は何をかんがえ、何を求めて無謀な旅へと繰り出したのか??

原作からずれたことはほとんどやっていないのだけれど、マッカンドレス君の旅が、生が映像になってる、ってだけでもうじゅうぶんに心動かされるものがある。なんていうか、ぜんぜん他人事として見られないんだよな…。親との確執とか、世の中に対する視線の持ち方とかの感じを、ほんとわかる、とか、ついついおもってしまう。いや、マッカンドレス君のかんがえかたとか、とった行動に芯から共感できる、っていうのとはもちろん違うし、俺は彼みたいな高潔な、自分に厳しい人間とはとても言えないんだけど…。うまく言えないけれど、俺のなかにも彼みたいに生きてみたい、って気持ちは確実にあって、とはいえおそらくそれを自分で成すことはきっとあり得なくて、それでもやっぱり、そういう生き方を全うした人がいた、って事実には胸を打たれるだけじゃなく、どこか勇気づけられるような気がする、んだとおもう。

あと、ある老人が語る、「許すことができたとき、愛せるようになる。そのとき、君の周りの世界には神の光がきらめくだろう」みたいなことばには、正直心が震えた。いまこうやって書いてみると、いかにもベタな台詞なのだけど、この抑制されたタッチの映画のなかでは、ぎりっとした存在感を持っていたようにおもえて。いつか自分で自分のことを許すことができたら…、そんなときが果たして来るんだろうか?ってかんがえていると、おもわず胸がいっぱいになった。

なんとも青臭くて、いろいろとかんがえさせられもする作品ではあるけど、全てを投げうってイントゥザワイルド、ってやっぱりそれだけですごく魅力的だ。アラスカを始めとする、アメリカ各地のワイルドな自然の映像もたのしいし、エディ・ヴェダーの担当したサントラもいい感じだし、素直にいい映画。


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