『ライフ・イズ・ミラクル』

ライフ・イズ・ミラクル [DVD]

DVDで。エミール・クストリッツァのこれも、大すきな映画。

舞台は1992年、ユーゴ内戦時のボスニアで、セルビア人鉄道技師のおっさんが主人公。兵役に行った息子が捕虜になるのだけど、おっさんは捕虜交換要員として連れてこられたムスリムの若い女の子と恋に落ちてしまって…!というのがストーリーの大枠で、なんていうか、メロドラマ+バルカン情勢、という感じの物語になっている。

切ない話なんだよなー、これ。ただ、切ないけれど、未来への展望みたいなものはたしかにあって、ハードな生の辛さと、それと同じくらいの生のよろこびがシリアスかつコミカルに映し出されていくところがいい。情念が人を動かすさまが、パワフルっていうかほとんど強引に描かれていくのもすごくて、とにかく勢いのある映画、ってところは他のクストリッツァ作品と同様だ。

あと、本筋とはあまり関連のなさそうな雑多な要素たちがこの映画を見ていく上ではかなり重要になっていて、それらの圧倒的な存在感こそが全体のムードを決定づけている、なんていう風にも言えるかもしれない。ボスニアの枯れた風景やたくさん現れる動物たち(ロバ、猫、にわとり、熊…)、もちろん最高の音楽やその他いろいろが混然一体となって物語の推進力を生み出していて、ぜんぜん飽きさせない。見たのは結構ひさびさだったのだけど、やっぱり夢中になってしまった。

いや、っていうか俺はクストリッツァにほとんど心酔してしまっているので、ちゃんとした感想とかは書けないような気がする。でも、とにかくこれも最高。こんなに最高最高ばっかり言ってしまう自分の語彙の貧弱さにはがっかりだけど、まあ仕方がない。サッカーのシーンとか、息子の出征前のパーティーのシーン、2人の逃避行から印象深いラストまで、クストリッツァの映画ならではの狂騒のグルーヴ、熱情があるのと同時に、自分の力ではどうにもならない物事を受け入れつつなんとかやっていくしかない、っていうような、しみじみとした、しかし力強い感覚が溢れていて、もうとにかく、すこぶる素敵な作品になっている。

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